高校時代、若干ユニバーサルな学校だったこともあり、外国人留学生を招き入れたり、こちらの学生も留学させたりと交換留学を行なっていた。
その際に、外国人は寮に。こちらからの学生はホームステイという体制を取っていた。
外国人留学生
そんな中、一人の外国人の女生徒が俺の前に現れた。
その女生徒のイメージだが、アンジェラアキのような感じだったと思う。
なのでアンジェラアキをイメージして欲しい。
以下その子のことをアンジェラと呼ぶ事とする。
出会いという程壮大なものではない。
なにせ、相手は学年一つ下だ。
交流する機会も正直ない。部活が一緒とかもちろんない。
では、何故出会うことになったのか。
たしかあの時、困っていたと思う。
そんな中、たまたまその近くにいた俺が手助けをした。ような気がする。
それからだ。
(本名)キョウブカツアル?
あぁ、毎日部活だよ。
ナンジカラ?
16時からだよ。
ソッカァ、イマカラチョットハナセル?ジカンアル?
うん、ちょっとなら。
こんな感じのやりとりだったような気がする。
俺に対して好意を持ってくれているのか。それはLike?Love?
それとも、外国人留学生で話せる相手が見つかって嬉しかったのか。
いずれにしても、貴重な経験をしているとその時の俺は思っていた。
クリスマスツリーを眺めて
高校の正門前には木にイルミネーションを施し、クリスマスツリーに仕立てている。
ブルーイルミネーションが涼やかな色合いだが、イルミネーションだと不思議なことに暖かみや気分の上昇につながる。
イルミネーションとは不思議なものだ。
部活の帰り道。
アンジェラとばったりあった。
どうやら学校を出て自販機に行くらしい。
うちの学校は自販機というものが校内には存在しない。信じられない。
なので、校外に出れば自販機は存在するのだが、それも見つかったら指導を受ける。
でも、学校が終えた後ならばそれは問題ない。
俺は帰り道、アンジェラは自販機。向かう方向は一緒だったこともあり一緒に郊外に出ることになった。
その時、クリスマスツリーのイルミネーションが綺麗だったこともあり、アンジェラにクリスマスってどうするの?と訪ねてみた。
すると
1ガツノナカバニワタシモドルンダヨネ
別れは突然に
その時、思った。
当たり前だけど、今が永遠に続くこともない。今の状態がずっと続くこともないことを。
俺はどこかアンジェラの好意に引き寄せられているところがあった。
日本人にはない、積極性なのか、カタコトで話す日本語に面倒を見てあげたいという愛情なのか。
その愛情が、いつしか恋心に変わろうとしていた最中だった。
でも、アンジェラは去ってしまう。
アンジェラがここ(学校)にいる有効期限は知らされていなかった。
もちろんいつかは戻るであろうと思っていた。
でも、こんなあと1ヶ月もない状態でお別れになるのはさすがに早すぎというか、急すぎた。
不器用な俺
ようやく、ちょっと興味が湧いてくるというか、恋心が芽生え始めたばかりでお別れ宣告。
これ以上の好意は結果がない。好意を持てば俺も辛くなる。
万が一、お互いに好き合って交際を始めてもすぐにお別れになる。
それこそお互いが辛い。
ならば、俺はこのタイミングで関係を断ち切るべきだと思った。
とはいっても、アンジェラに距離を置こうとか変な話だ。
極力出会わないよう、部活へ行くルートを変えた。
向こうとしては、お別れの前に沢山話したかっただろう。
でも、それが俺には辛かった。
旅立ち
アンジェラは全校生徒に対してお別れの挨拶を全体朝礼で行った。
それが俺に対しての直接的なお別れの挨拶でもある。
俺も心の中で挨拶を行なった。
そのまま、俺はアンジェラに会う事なく、お別れを済ませた。
部活が忙しく部活以外のアフタースクールに青春がないのは正直辛いところではあるが、この時だけは良かったと思える。
辛い現実に目をそらすことができたから…
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